高梁アメダス(岡山県)の高温について


1.高梁アメダスの場所

高梁アメダスは岡山県中西部の高梁市にある。
気象庁HPによるとその位置は、北緯34度47.5分、東経133度36.6分、標高60mとなっている。
その緯度・経度は赤マークの地点を示すが、実際は高梁川沿いの赤〇の場所にある。




ストリートビューで見た高梁アメダス。右が高梁川で奥から手前に流れている。




2.高梁アメダスの日最高気温記録

高梁アメダスでは今年(2020年)8月21日に日最高気温の記録を更新した。
また、トップ10のうち、3位、4位、10位も今年記録したものである。

(2020.9.21追記)
10位は38.3℃を記録した2020年8月30日に変わった。それまで10位だった2020年8月15日も38.3℃で同値である。

また、高梁は国内の猛暑日連続日数で、それまでの大分県日田市の22日を超え、記録を更新した。
下記記事の翌日(9月1日)も猛暑日となり、猛暑日の連続日数は24日(2020年8月9日〜9月1日)となった。
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2020/08/31/9580.html
https://kishojin.weathermap.jp/diary_detail.php?date=2020-08-31




3.2020年8月21日の気象データ

高梁アメダスの2020年8月21日の気象データは下図の通り。
最高気温は14時35分に、39.3℃を記録している。

前後の時刻の気温、風速・風向は
 14:20 37.9℃ 南西 1.1m/s
 14:30 39.0℃ 南東 1.9m/s
 14:35 39.3℃         ※最高気温
 14:40 37.5℃ 南東 1.1m/s
 14:50 37.0℃ 北東 1.0m/s

風向が南西(14:20)から南東(14:30)に変化した途端に1.1℃気温が上昇、その後最高気温を記録(14:35)し、北東(14:50)に変化すると下降している。



改めてストリートビューを見ると、アメダスの東側と南側に樹木が茂っているように見える。

現在もこのような状況かどうか現地を見ていないので不明ではあるが、これが高温に影響していないだろうか?




(2020.9.22追記)
2020年9月22日に高梁アメダスの現地を確認してきた。
樹木は道路沿いにアメダスの東側に茂っている。ストリートビューではアメダスの東側から南側にL字型に樹木があるように見えたが、画像のアングルの違いによる誤認かもしれない。



気温を測定する通風筒の南東側に樹木が茂っている。




4.トップ10の他の日の気象データ

では、他の日の気象データはどうか。

2020年8月17日は、14時18分に38.9℃を記録しているが、この日も風向が南西(14:10)から南東(14:20)に変化すると気温が1.7℃上昇、その途中で最高気温になっている。

前後の時刻の気温、風速・風向は
 14:10 37.1℃ 南西 1.0m/s
 14:18 38.9℃         ※最高気温
 14:20 38.8℃ 南東 1.2m/s
 14:30 37.1℃ 東北東 1.3m/s




2020年8月16日は、14時13分に38.9℃を記録しているが、最高気温のピークは10分観測値でみる限り前2例ほど明瞭ではない。

前後の時刻の気温、風速・風向は
 14:00 37.7℃ 南南西 2.3m/s
 14:10 38.7℃ 南南西 2.2m/s
 14:13 38.9℃         ※最高気温
 14:20 38.1℃ 東南東 1.8m/s
 14:30 37.8℃ 北  2.1m/s




2020年8月15日は、15時25分に38.3℃を記録している。

前後の時刻の気温、風速・風向は
 15:20 37.8℃ 西北西 2.9m/s
 15:25 38.3℃         ※最高気温
 15:30 37.4℃ 南  1.2m/s




次に2年前の2018年の例を見る。7月24日は、14時52分に38.7℃を記録している。

前後の時刻の気温、風速・風向は
 14:40 36.6℃ 西北西 1.6m/s
 14:50 38.1℃ 南東 0.7m/s
 14:52 38.7℃         ※最高気温
 15:00 38.1℃ 北東 1.7m/s




2018年7月25日は、14時31分に38.7℃を記録している。

前後の時刻の気温、風速・風向は
 14:20 37.1℃ 東北東 1.0m/s
 14:30 38.6℃ 東南東 1.1m/s
 14:31 38.7℃         ※最高気温
 14:40 36.8℃ 北東 0.6m/s




5.考察

高梁盆地の暖候期に発生する高温についてはその要因として、
・盆地状地形(地形の閉鎖性)
・夏季は総観規模によって形成される南風による顕熱移流
が報告されている[1]。

高梁盆地はもともと高温になりやすい条件がある上に、高梁アメダス周辺環境(東側の樹木)が更なる昇温に影響しているのではないかと推測している。

2020年8月21日、17日、16日の事例ではいずれも、風向が南寄り(海風)から北寄り(山風)に変化する過程で、風向が南東となったタイミングで最高気温を記録している。

その要因としては
・樹木が熱源となっている可能性
・樹木が風を遮り、日射による昇温を促しているのではないか
・樹木による日溜まり効果
などの意見がある[2]。

2020年8月15日と2018年の2事例では、最高気温を記録した時刻前後で風向は南北に振動しており、前3事例ほど因果関係がはっきりとは見られない。

さらに調査を進めるためには、より時間解像度の高いデータ(1分観測値)などでの解析が有効と考える。


6.参考文献

[1] 小川晃生,高市泰樹,大橋唯太: 岡山県の高梁盆地で暖候期に発生する高温化の気象観測.Naturalistae 23,1-14 (Feb. 2019). http://www1.ous.ac.jp/garden/kenkyuhoukoku/23/Naturalistae-2019feb-1-14.pdf

[2] 日本気象予報士会岡山支部例会(2020.9.12)での議論

 作成:2020.08.25
最終更新:2020.09.22

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